子育てが孤育てになってない?子どもはみんなで育てよう!!~児童虐待防止全国ネットワーク シンポジウムに参加して

育児ストレス悩み相談室の若狭です。

2/4(日)に行われた児童虐待防止全国ネットワークのシンポジウムに参加してきました。

テーマは「メンタルヘルス問題を持つ親のもとで生活する子どもへの支援」ということで

東京都立小児総合医療センターの田中哲先生をはじめ、

精神科訪看護をしている有限会社オラシオンの辻本直子先生、

鈴鹿医療科学大学の土田幸子先生、葛飾区子ども総合センターの坂入健二先生によるお話。

 

精神保健の分野だけではなく、児童福祉の観点も持ち連携が必要であることを再認識しました。

虐待を防止するためには親御さんの心のケアだけではなく、

子どもに対するケアも必要。それはみなさんお分かりかと思います。

でも、担う機関が別々に存在するんですよね。

だから当事者も、周囲もどこに相談すればいいのかわからない。

その結果発見が遅れて取り返しのつかないことになってしまう。

そうならないためにも、精神保健と児童福祉の連携が必要なんです。

 

お話を聞いていて、行政の対応だけではメンタルヘルス問題を抱えている家庭への援助には

限界があることを痛感しました。

もちろん行政も何もしていないわけじゃない。

通告を受けたら訪問するし、実態を把握するために奔走してくれてます。

でも、やっぱり多いのは面談拒否。

誰にも頼りたくない。SOSを出せない人が多いんですよね。

 

行政のできないところは民間企業が補足する。

今会ってくれない家庭でも継続的に訪問して機会を待つ。

誰であってもそうだけど、心を開くまでには時間がかかりますよね。

時間をかけて信頼関係を築いていくしかないんです。

 

特に印象的だったのは田中先生のお話です。

人間は哺乳類の中でも未熟な状態で生まれてきます。

動物は生まれたその日から自分で立って歩きます。

でも人間の赤ちゃんは立って歩くどころか、寝返りすらできませんね。

 

人間は他の動物と比べて1年早く生まれているんです。

先生はこの早く生まれた1年の間で経験することが

人間にとって必要なものなのだろうとおっしゃていました。

お腹の中にいてはできないこと。それが

「見る」ことだそうです。

赤ちゃんは周りの大人の目を見て

その目がちゃんと自分を見ているのかを感じ取っているんです。

 

また、人に預けるということもお腹の中にいたらできません。

動物の中でも母親が自分以外に子どもを預けて育児をするのは

これも人間だけのようです。

ワンオペ育児の問題などから見られるように

一人で子育てをしている人が多くいます。

まるで人に預けることが悪いことのように捉えてしまっている人もいます。

でも本来私たちはみんなで子どもを育てていくという文化を持っているんですよ。

子どもはコミュニティの中で育てるもの。

今は共同で子どもを見ることが難しくなっているんです。

だから母親ひとりの負担が増えてしまう。

その結果追いつめられてメンタルヘルスに支障をきたしたり

悲しいことが起こってしまったりするんです。

 

子どもはコミュニティの中で育てるもの!!

このことを私たちは啓発していかなきゃいけないのかなって思いました。

子どもを預けることができて健康ともおっしゃっていましたね。

 

そして、私たちカウンセラーにとって大事だと思ったお話が

援助をする側は

「この人との関わりだったら話しても大丈夫かな」と思える人になる。

これが大事だということです。

困ったときにSOSを出せる関係になることが何よりも必要な役目なんです。

 

今回のシンポジウムに参加して

パパとママを支えるカウンセラーとして知識が深まったと同時に

まずは私自身が安心してなんでも話せる人にならなければと

改めて考えるきっかけとなりました。

 

「虐待なんて自分とは無縁だわ」と思っているあなたも

「もしかして虐待してしまうんじゃ・・・」と不安なあなたも

一人で抱え込んでいるとどんどんSOSを出せなくなってしまいます。

そうなる前につらい気持ちや不安な気持ちは

気軽な電話カウンセリングで出してしまいましょう!!

いつでもご相談お待ちしていますよ。