ほめ言葉でモチベーションが下がる!?アンダーマイニング効果とは?

育児ストレスカウンセラーの若狭春奈です。(プロフィールはこちら

https://youtu.be/xmapnZBc2Hw

報酬を与えるとモチベーションが下がる!?

動画での説明した通り、自分が好きで自ら進んで取り組んでいることに報酬を与えてしまうとかえってモチベーションダウンしてしまうというのがアンダーマイニング効果。

例えば、ボランティアでクリーンアップに参加していた人が、そのがんばりを認められて今度からお給料を出します!と言われた場合。

まぁお金がもらえるのは素直に嬉しいでしょう。でも今までボランティアでやっていたから気持ちが良かったのに、お給料をもたってしまうとなんだか後ろめたい。

私もボランティア活動に参加していたことがありますが、あれははっきり言ってお金をもらわないからこそ楽しいんですよ。給料制になってしまうと責任も生じます。ただ楽しいだけの活動ではなくなってしまいます。

ほめ言葉は外発的動機づけ

ほめ言葉も外発的動機づけの一種。子育てには「ほめて育てましょう」ということが盛んに言われています。でも、ほめてやる気を出してもらうやり方をしていると、ほめられることが子どもにとっての動機になりますね。

そうなるとほめられなければがんばらないことになってしまいます。

確かにほめられると大人だって嬉しいし気分がいいです。でもやる気とは別問題です。お片づけをしてほめていると、ほめられなければ片づけないということになっていきますよ。これは片付けの意義が伝わっていないから。あるあるだと思います。

ほめ言葉は見下している相手への言葉

さらに、アドラー心理学ではほめ言葉は上から下の者へかける言葉であり、見下している相手への言葉だとされています。したがって、子育てにおいてほめ言葉は不要。使わない方が良い。

ほめられる。ということは、今まで出来ないと思われていたからほめられたんだ。という捉え方をしてしまい、自己肯定感が下がってしまうこともあるそうです。

初めから片付けだがきちんとできている子に「お片付けして偉いね」なんて言わないです。使ったものは元の場所へ戻す。これは習慣として身につけるべきことです。ほめられてやることじゃないですよね。

ほめるはずがおだてている

さらに気を付けたいのが、ほめてやる気をアップさせようとしていたつもりなのに、気が付いたら子どもをおだてているだけだったというケース。

これもあるあるだと思います。私も身に覚えがありまくりです(笑)子どもたちをほめてやる気にさせて、「いいよいいよ!その調子!」と乗せて「今日もいい保育したわ」なんて自己満足しているけど、肝心の子どもたちの内面は育っていたのかい?ということなんですよ。

先ほどの片付けの例でいえば、元の場所に戻すことで次また同じ遊びがしたいときにすぐにおもちゃを見つけられるということや、他の子が遊びたいときに元の場所にないと困ってしまうことや、部屋が片付くとすっきりして気持ちがいいことや、散らかしっぱなしにしていると、おもちゃを踏みつけて壊してしまったり、足を痛める恐れがあることや、まだまだたくさん伝えるべき「片付けの意義」がありますね。

それらの意義をすっ飛ばしてとりあえず早く片付けさせるためにほめまくる。これは子どもをおだてて自分の都合の良いように動かそうとしているだけ。

ほめるより認める

ほめ言葉は使い方次第なところがあります。ほめてやる気がアップすることも実際はありますからね。でも使い方を間違えるとあまり効果がない。

だったらいっそのことほめることはやめちゃったほうが良いと思いますよ。「今ほめるのって効果あるかな?」「このほめ方良いのかな?」と不安になるくらいならやらない方が良い。

ほめるより認める方がよっぽど良いですよ。そのまま、ありのままの姿を認める。認めるという行為は評価ではないですからね。誰でもできるし、ほめるより簡単です。

「お片付けしてくれたんだね」「今日もたくさんお絵描きしたね」「ご飯全部食べたね」など、子どもの行動を評価せずありのままを受け止めます。これだけでも「ぼくのことを認めてくれてる」という気持ちになれますし、自己肯定感アップにつながります。

なにより使い方に悩まずに言えるからほめるより気軽にできるはずです。

ほめるの難しいな。ご褒美で上手く子どもを誘導できないかな。なんて悩むくらいなら子どもの行動を認めるという方法をおススメしますよ。